ウルトラマンヒカリ我流鑑賞室・プロファイリング編
宇宙人なんかプロファイリングしてどうするって?
これも一種の空想科学ですよ。

初見は、ウルトラマンメビウスの8話辺り。
まだツルギだったけど、
徐々にセリザワの意識に侵食されてきた頃である。

敵か?味方か?

やってることは敵っぽいが、顔を隠した異形の者とはいへ、
全体像は間違いなくウルトラマンである。
体が青いのは何者かに操られているからで、正気に戻れば赤くなるだろう、思ってた。
何しろ、平成のウルトラシリーズが完全に欠落してる人σ(^^;)だからして、
ウルトラ一族に青系統がいるなんて、全然知らんかったのよ。
しかも人間体が異常に美形で、しかも服装が黒づくめだから、
昭和の前例からして、完全に敵方宇宙人の擬態パターンだったし。
が、完全に妖怪モードの擬態女と敵対してるところを見ると、
実は「敵の敵は味方」ってやつかも・・・とか思ったり。

しかし、すらりとした青い体に、白銀の装甲をまとった姿が美しいのなんのって。
しかも登場時のBGMがJ.S.バッハの「トッカータとフーガ」調パイプオルガンですよ。
差し上げた手に雷(いかずち)を集めて光線化する必殺技といい、
青いブレスレットから出現する光の剣といい、
凄腕の剣客そのものといった風情を漂わせる、洗練された身のこなしといい・・・

不覚にも着ぐるみに一目惚れしちまったんだわ。

ところが、謎が全く解けないまま力尽きて死んじゃうし(死んだと思ったよ)、
ウルトラの母が現れるしで、あまりの急展開にしばしポカ〜ン(゜д゜)とした後、
あわてて過去数話がどういう話だったのか調べまくった次第である。

結果、人間体が実は第1話ですでに登場済みだったセリザワ前隊長で、
しかもそのセリザワが、昭和のウルトラマン視聴者世代を象徴するような熱血隊長で、
ツルギに憑依された後とは、全くの別人にしか見えないのだよ。
いや全くの別人だからこそ、ヒカリの中で、
ツルギとセリザワの人格がせめぎ合う展開になったわけだが。

結果、ウルトラの母の手によって「復讐の鎧」から解き放たれ、
本来あるべき姿へと戻ったヒカリであったが、
「な〜んだ。青いだけで普通のウルトラマンだったんじゃん」と、思った。その時は。

ところが、そのままウルトラの星に帰ると思いきや、
突如、絶体絶命のリュウを救いに現れたから、さあ大変!
ワタシがこの青いウルトラマンの真実を知るのは、むしろこれからである。

実は「ツルギ」の素顔が明らかになったのは、この時が初めてではない。
メビウスに過去のいきさつを語るくだりで、
鎧=アーヴギアをまとう直前の姿が回想シーンに登場しているが、
この時は日没後〜夜という時間帯で、しかも惑星アーヴ全体が炎上した後とあって、
立ちこめる濃い煙と相まって、あまりはっきりと見ることができなかった。
鎧がはじけ飛んだ時も、横たわった姿が斜め下から一瞬映っただけだったし。

ゆえに、ワタシが「ヒカリ」の素顔をまじまじと見たのは、
リュウがガンウインガーのコクピットで強烈な光に包まれた、その直後のことである。
眩しさに目がくらみ、一瞬失われた視覚が徐々に戻ってくると、
そこには巨大なウルトラマンの顔があった。

しかし、それはメビウスではなかった。

その凛とした顔と比べると、メビウスは明らかにあどけなく、かつ幼い。
より鋭角的で、思慮に満ちているかのように見えるのは、
その胸にゾフィーと同じスターマークがちりばめられているからであろうか・・・

色々調べてみたところ、このイボみたいなのは、地球で言うところの「勲章」らしい。
それがゾフィーレべル?・・・ってことは、
実はウルトラの星では宇宙警備隊の隊長である、ゾフィー並みの大物だったってこと?

しかも、アーヴギアだと思っていた頭やら耳やら肩の角が、そのまま残っいる。
ウルトラマンには有角族と無角族、及びその混血がいるらしいが、
生まれつき生えているのではなく、長い時間をかけて伸びてくるものらしい。
昭和のウルトラマンが自分と共感できる年代の人間体を選んでいた例に倣えば、
明らかに40代と思われるセリザワに憑依したことから推察するに、

ヒカリってば、実は結構なオッサンだったりする?

ヒカリSAGA1、及び、SAGA2を見ると、
彼は思い込むと、底知れぬパワーを発揮するタイプであることが判る。
その辺りは研究者向きで、度外れた集中力で、
スターマークに値する数々の成果を挙げてきたと察せられるが、
その一方で、歳に似合わず世間知らずというか、
英才教育で無菌培養されてたんじゃないかと思うような、
専門馬鹿っぽい一面が伺われたりもする。

だって、初めてボガールと戦った時なんて、戦闘初体験とはいへ、
見事な空振りの連続で、転びながらのまぐれ当りがなければ完全にヤラれてたし。
全くもって無謀極まりないのだが、あれこれ思索を重ねるというよりは、
が〜っと集中して、ぱっとひらめいたら、あとはだ〜っと突っ走る人なのかも。

しかし、復讐を誓った後の集中力たるや半端ではなく、
ツルギとなってボガールを追いながら、あちこちで戦いを繰り返してるうちに、
めきめきと腕と名を上げて、遂には宇宙警備隊の期待のルーキーと互角か、
それ以上に強くなってしまったとは・・・

といっても所詮は素人。メビウスに比べると、体力と持久力で見劣りすること甚だしい。
しかもアーヴギアが無いと、その細身がさらに際立つ上に、
敵の攻撃が体の芯まで及んでしまう模様だ。
むっちりとたくましいメビウスと違って、基礎鍛錬が絶対的に欠如してるんだな。
ゆえに、無理がたたって、結局ウルトラの星に帰ることになってしまったわけだが。

メビウスは宇宙警備隊の純粋培養ルーキー(しかも人間体は18歳)だからして、
実は親世代ウルトラマン子世代ウルトラマンが、共に地球という不慣れな土地で、
新米同士、力を合わせて頑張っていたという、ものすごエエ話だったのですよ。

さて、基礎の欠如を気合と集中力で補って余りある戦いっぷりが認められ、
見事、宇宙警備隊入りが決まったヒカリだが、
果たして、彼が再び地球で戦う日はやってくるのか?
我々はもう一度、あの青く美しい戦士に会うことができるのだろうか?
或いは、彼は再び彼の地を、惑星アーヴを訪れることになるのであろうか?

ワタシはその答えを、首長竜と化しながら待っているのである。

〜余談〜

昭和ウルトラマンの原則の範囲内で、目いっぱい美しく作られたその顔といい、
人間体を演じているのが俳優兼、ベテランモデルの石川真であることといい、
どうやらウルトラ一族内でも、際立った美貌の持ち主であることは確かである。
変身前も、変身後も、極め付けに美しいウルトラマン。
それがヒカリである。

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