ULTRASEVEN X ep.2 「CODE NAME ”R”」
2007年10月14日 ウルトラマン
またしても、冒頭から「既視感=デジャヴ」を覚えてしまった。
まったく、この作品との尋常でない親和性は何なのか・・・
と思ったら、先日、メイン脚本家である小林氏のブログで、
面白い記事を読んだ。
↓のリンク先の10月12日の項を参照のこと。
http://blog.livedoor.jp/scenarioland/archives/2007-10.html
どうやらこういった現象は、しばしば世代と性別を超越して発生するらしい。
何に共鳴するかは、その人が持つ感性の固有振動によって決まってくる。
今回の脚本に話を戻すと、
小林氏の基本構想であると思われる「高度管理社会」という設定を受けて、
太田氏が「お節介なシステム」というアイテムを用い、
それがワタシの古い記憶を呼び覚ます結果になったわけだ。
そうそう。太田氏の脚本といえば、「時の海鳴り」を忘れるわけにはいかない。
http://diarynote.jp/d/58713/20060911.html
この回の共鳴キーワードは「初めて意識した異性」だったが、
「CODE NAME "R"」の場合は、遠い昔に読んだ、とあるSF小説を思い出した。
それはアイザック・アシモフが編纂したSF短編集の中の1作で、
絶え間なくCMを流し続けるモニターに取り囲まれた生活に疲れた男が、
ひそかに噂されている別世界に逃れようとして、
逆に再教育施設に送り込まれてしまう、というものすごい鬱話だ。
つまり「別世界」とは、政府が脱落者を選別するために、
予め仕掛けておいたトラップなわけで・・・
ULTRASEVEN X の世界観も、現代社会のある一面が異常に強調された、
幾らかズレた平行世界のものであって、
そこで微妙に順応できないでいる人々が主役になっている。
自己のアイデンティティーを喪失しているJinとセブン。
常に提示されている「健康で幸福な生活」の意味を見失い、
エイリアンの仕掛けたトラップに落ちる人々。
スタンダード=規格から、微妙にズレたまま生きていることの違和感。
そこから逃れようとした者を待っているのは、ユートピアではなく、
更なる煉獄、もしくは死だ。
Rの妻は、死を選んだ。
ミッション=任務を終え、家に戻って来たRは、自殺した妻を発見する。
妻が選んだのは、Rが妻のために買った黄色い薔薇ではなく、
自ら命を絶つための黄色い錠剤だった。
おそらくRはその瞬間まで、
政府が人民に繰り返し吹き込もうとする「健康で幸福な生活」を、
微塵も疑ってはいなかったのだろう。
完璧な適合者であったはずのRは、たちまちエイリアンの仕掛けたトラップに捕まる。
エージェントKは、かつてのRなのかも知れない。
しかし、ユートピアを信じたまま絶命したRは、ある意味幸福だったといえる。
いや、あの最後の微笑みは、Jinの言葉で真実を悟ったRの、
自嘲の笑みだったのかも知れない。
そうなると、「私だけを信じて!」と言うあの女は一体・・・
SEVENがセブンの模造品だったらどうする?
「ザラブ星人が化けたような」という評価が、実は脚本家の意図したものだったら?
X=未知なるものが、オリジナルのセブンだったとしたら?
ま、こういうミスリードも可能ですよ、ってことで、
最終回にはもうひとひねりした結末が待っていると思いますが。
まったく、この作品との尋常でない親和性は何なのか・・・
と思ったら、先日、メイン脚本家である小林氏のブログで、
面白い記事を読んだ。
↓のリンク先の10月12日の項を参照のこと。
http://blog.livedoor.jp/scenarioland/archives/2007-10.html
どうやらこういった現象は、しばしば世代と性別を超越して発生するらしい。
何に共鳴するかは、その人が持つ感性の固有振動によって決まってくる。
今回の脚本に話を戻すと、
小林氏の基本構想であると思われる「高度管理社会」という設定を受けて、
太田氏が「お節介なシステム」というアイテムを用い、
それがワタシの古い記憶を呼び覚ます結果になったわけだ。
そうそう。太田氏の脚本といえば、「時の海鳴り」を忘れるわけにはいかない。
http://diarynote.jp/d/58713/20060911.html
この回の共鳴キーワードは「初めて意識した異性」だったが、
「CODE NAME "R"」の場合は、遠い昔に読んだ、とあるSF小説を思い出した。
それはアイザック・アシモフが編纂したSF短編集の中の1作で、
絶え間なくCMを流し続けるモニターに取り囲まれた生活に疲れた男が、
ひそかに噂されている別世界に逃れようとして、
逆に再教育施設に送り込まれてしまう、というものすごい鬱話だ。
つまり「別世界」とは、政府が脱落者を選別するために、
予め仕掛けておいたトラップなわけで・・・
ULTRASEVEN X の世界観も、現代社会のある一面が異常に強調された、
幾らかズレた平行世界のものであって、
そこで微妙に順応できないでいる人々が主役になっている。
自己のアイデンティティーを喪失しているJinとセブン。
常に提示されている「健康で幸福な生活」の意味を見失い、
エイリアンの仕掛けたトラップに落ちる人々。
スタンダード=規格から、微妙にズレたまま生きていることの違和感。
そこから逃れようとした者を待っているのは、ユートピアではなく、
更なる煉獄、もしくは死だ。
Rの妻は、死を選んだ。
ミッション=任務を終え、家に戻って来たRは、自殺した妻を発見する。
妻が選んだのは、Rが妻のために買った黄色い薔薇ではなく、
自ら命を絶つための黄色い錠剤だった。
おそらくRはその瞬間まで、
政府が人民に繰り返し吹き込もうとする「健康で幸福な生活」を、
微塵も疑ってはいなかったのだろう。
完璧な適合者であったはずのRは、たちまちエイリアンの仕掛けたトラップに捕まる。
エージェントKは、かつてのRなのかも知れない。
しかし、ユートピアを信じたまま絶命したRは、ある意味幸福だったといえる。
いや、あの最後の微笑みは、Jinの言葉で真実を悟ったRの、
自嘲の笑みだったのかも知れない。
そうなると、「私だけを信じて!」と言うあの女は一体・・・
SEVENがセブンの模造品だったらどうする?
「ザラブ星人が化けたような」という評価が、実は脚本家の意図したものだったら?
X=未知なるものが、オリジナルのセブンだったとしたら?
ま、こういうミスリードも可能ですよ、ってことで、
最終回にはもうひとひねりした結末が待っていると思いますが。
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