ULTRASEVEN X ep.9 「RED MOON」
色々と見ごたえのある回なのよ。
すでに4度も見直したのよ。
その度にまた新たな感慨に浸ってたら、もう火曜だぜよ。

エイリアンの男と地球人の女にまつわる悲劇ってことで、
前回と同じパターンなんだけどね。
結局、異星人との遭遇は悲劇的結末に至りがちってことなのね。
ヴァイロ・ミサキと、トラベラー・タカオという例外もあるんだけどね。

今回はの話は、異種間恋愛悲劇の典型にして最高傑作!
といっていいんじゃなかろうか。

清楚で高慢な宮家の令嬢と、出自不明の美青年エイリアンとの宿命の恋。
全く以って、王子さま然としたノゾムの容姿(画像参照)にしばし呆然。(´д`*)
しかし彼にとってもっとも忌むべき物質が、
地球上でもっともありふれた液体である水だったとは・・・
そんな恐ろしい場所に何故、彼はやって来たのか?
そして何故、忌むべき水に触れて、見るもおぞましい獣人と化してしまったのか?

しかし生体を構成する成分が違うからって、この変わりっぷりはどうよ?
アマゾンの半魚人かと思ったけど、水で変身するってことは、
「人魚姫」いや「人魚王子」ってこと?
いや、ノゾムは元の姿に戻ったわけじゃなくて、
「別のもの」に変わってしまったんだけどね。
もう自分が何者なのか、何をしたのかもわからなくなっているのに、
愛した令嬢の名前である「まひる」と、
白いドレスをまとったその美しい姿だけは忘れることが出来ないノゾム。
いや、その思いだけで100年の眠りから目覚め、
夜な夜な「まひる」を捜し求めるノゾム。
しかしどんなに探しても彼女は見つからない。
その都度、激しい怒りと絶望に咆哮するノゾム。

100年前の皆既月食の夜、ノゾムとまひるに起きた悲しい出来事とは・・・

皆既月食についではこちら↓を参照のこと。
http://www.astroarts.co.jp/special/20070828lunar_eclipse/about-j.shtml

結局、まひるを殺したのは実はノゾム自身だったわけですが。
その辺りは前回のヒュプナスと同じ展開なんですが。
しかしちょいグロなサイコホラー仕立ての前回とは異なって、
舞台となったアンティークなお屋敷とか、
BGMのバロック音楽がなんとも格調高くてね〜たまらなくいいんだわ。
しかもパイプオルガンが似合う特撮だなんて、
まさにワタシのために作られたとしかいいようがないではないか!
はいっ!パイプオルガンといへば、最愛のハンターナイトツルギですっ!

最後にSEVENが獣人にとどめを刺すシーンにいたっては、まさに 神演出!
幾分冗長になったきらいはあるが、
絶望と殺戮の無限ループに落ちようとしている獣人の嗚咽=咆哮が胸に迫る。
そして初めて、エイリアンを倒すことをためらうJin=SEVEN・・・

ところで、SEVENに獣人を倒すように仕向けたのは、
尾形こと、ノゾムの兄のサクだった。

サク?朔?ノゾム?望?

月の朔望↓ってことですか!!!
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/reki/moonph.htm

つまり、彼らは満月と新月だったわけで。
月つながりでいえば、「かぐや王子」 でもあったわけで。
危険で美しい星、地球に行きたいと言い出したのは、
多分わがままで血気盛んな弟のノゾム。
そして、危険で美しい令嬢に恋してしまったノゾムは、
彼女への愛を証明するために、池に身を投じてしまう。
そんな弟を深く愛していた兄のサクは、新月=見えない月の如く、
彼にとっての輝く満月であるノゾムに付き従い、
100年の眠りの間も、彼を守り続けていたのだろう。

しかし、新月であり満月でもある皆既月食の赤い月に導かれるかのように、
ノゾムが百年の眠りから目覚める。
そしてまひるに愛を誓うために、池に浮かぶ睡蓮の花を彼女捧げようとする。
硬いウロコで覆われたノゾムの体は、あの恐ろしい水にすら耐えることができる。
銃弾も致命傷にはならない。
そんな彼にとどめを刺せるのは、サク自身の他にはただ一人だけ・・・

ノゾム自身もまた、それを願ってSEVENの前にその身を晒す。
80に消されることを願ったホーのように・・・
サクはおそらくグラスメモリアに最愛の弟、ノゾムの最期を記録して、
故郷の星に帰ったのだと思いたい。

〜以下余禄〜

いよいよ最終3部作を残すだけになってしまった。
首を傾げる箇所もあったけど、
ワタシにとってはものすごく肌に合う世界観だったなあ〜
結局、JinがSEVENという異星人と出会ったことも、
最後は悲劇につながってしまうのだろうか。

そういえば、池の真ん中で月明かりに輝く睡蓮を取りに行く話、
何かで読んだんだけど思い出せないなあ〜

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